「一度、打ち合わせしましょう」——制作会社にそう言われて席についたものの、いざ始まると質問攻めにあって、その場でうまく答えられなかった。結局「持ち帰って社内で決めます」を繰り返し、2回で済むはずの話が5回に増えていく。心当たりのある方は少なくないはずです。
これは、あなたの説明が下手だからではありません。何を聞かれるかを知らないまま席についているだけです。制作側が本当に知りたいことは、実はそれほど多くありません。事前に整理しておけば、初回の打ち合わせは一気に前に進みます。無駄なやりとりが嫌いな方ほど、ここは押さえておく価値があります。
「何を作るか」より「なぜ作るか」を先に決めておく
打ち合わせで一番よく交わされるのに、一番答えが曖昧なのが「今回、何のためにホームページを作るのですか?」という問いです。
「そろそろ古くなったから」「他社も持っているから」——気持ちは分かりますが、この答えだと制作側は動けません。ゴールが決まらなければ、デザインもページ構成も、載せる情報も決められないからです。集客のためなのか、採用のためなのか、既存の取引先に安心してもらうためなのか。目的が変われば、作るべきものはまったく別物になります。
ここで大切なのは、目的を1つか2つに絞ることです。「集客も採用も会社案内も全部」と欲張ると、結局どれにも刺さらない、当たりさわりのないサイトになります。「今回はまず、問い合わせを増やすことを最優先にする」と一言決めておくだけで、その後の判断が驚くほど速くなります。目的をどう1つに絞るかについては、ホームページを作る前に決めておきたいことも参考にしてみてください。
「誰に見てほしいか」を具体的な一人にする
次に伝えるべきは、ターゲットです。とはいえ「30〜50代の経営者」のような大きな括りでは、あまり役に立ちません。
制作側が知りたいのは、もっと生々しい一人の姿です。たとえば「同業からの紹介で会社名を聞いて、スマホで検索してくる人」なのか、「求人サイトを見て、応募する前に会社の雰囲気を確かめに来る人」なのか。この二人では、見せるべき情報も、伝えるべきトーンもまるで違います。前者には実績と信頼感を、後者には働く人の顔や社内の空気を見せる必要があります。
「うちのお客さんって、どういう人だっけ」を打ち合わせの前に社内で一度話しておくと、当日の議論が具体的になります。ここが曖昧なまま進むと、完成したサイトが「誰に向けたものなのか分からない」という、一番もったいない結果になりがちです。
「好き・嫌い」は言葉より現物で伝える
デザインの好みは、言葉で伝えようとすると必ずズレます。「シンプルで、でも高級感があって、親しみやすい感じ」——この一文から、あなたの頭の中と同じ絵を制作側が描ける可能性は、ほぼありません。
ここで一番効くのは、参考サイトを3つほど挙げておくことです。競合でも、まったく別業種でもかまいません。「このサイトのこの部分が好き」「この色使いは自社に合わない」と、現物を指さして話せると、認識のズレが一気に減ります。逆に「嫌いな例」を1つ挙げておくのも有効です。避けたい方向がはっきりすると、制作側は安心して提案できます。
ロゴデータや会社案内、既存で使っている写真があれば、それも打ち合わせ前に手元へまとめておきましょう。素材が揃っているかどうかで、その後の進行スピードは大きく変わります。写真や動画といった素材から一緒に考えたい場合は、コンテンツ制作の相談も合わせてしておくと二度手間になりません。
予算と納期は、隠さず先に出したほうが早い
「予算を先に言うと足元を見られそう」——そう考えて金額を伏せる方がいます。気持ちは分かりますが、これはたいてい逆効果です。
予算が分からないと、制作側は的を外れた提案しかできません。50万円で考えている相手に200万円のプランを出しても、300万円の要望に30万円のテンプレートを勧めても、どちらも時間の無駄です。「上限はこのくらい」「この時期までには公開したい」を最初に共有しておくと、その範囲で一番いい形を制作側が本気で考えられます。予算の伝え方に迷う場合は、Web制作の費用が何で決まるのかを先に押さえておくと、打ち合わせでの話が噛み合いやすくなります。
納期も同じです。「なんとなく早めに」ではなく、「展示会が10月にあるので、それまでに」といった動かせない締め切りがあるなら、真っ先に伝えてください。逆に急ぎでないなら、その旨も正直に。無理のないスケジュールのほうが、結局いいものができます。
まとめ:完璧な資料はいらない。判断の材料を持っていく
ここまで4つ挙げましたが、立派な企画書を用意する必要はまったくありません。むしろA4一枚のメモで十分です。
- 何のために作るか(目的を1〜2つに絞る)
- 誰に見てほしいか(具体的な一人を思い浮かべる)
- 好きな参考サイト3つ・避けたい例1つ
- 予算の上限と、動かせない納期
この4つがメモにあるだけで、初回の打ち合わせは「質問攻め」から「一緒に考える場」に変わります。準備の差は、そのまま完成物の差です。そして良い制作会社は、この4つをうまく引き出す質問を用意して待っています。あなたが全部を完璧に答える必要はなく、材料さえ持っていけば、あとは対話の中で形になっていきます。
打ち合わせの前に「うちの場合、何を整理しておけばいいか分からない」という段階でしたら、その相談からで大丈夫です。無料相談では、いきなり見積もりを出すのではなく、まず目的の整理からご一緒します。売り込みの電話はしませんので、気軽にお声がけください。
