同じくらいの予算で作った2つのホームページが、まったく違う結果になることがあります。片方には月に何件も問い合わせが入り、もう片方は半年で1件も来ない。デザインの質はほとんど変わらないのに、です。
この差は運ではありません。かなりはっきりした構造の違いがあります。しかもそれは、多くの経営者が「そこが原因だ」と思っている場所とはズレたところにあります。
きれいさと問い合わせ数は、思ったほど関係ない
まず、身も蓋もない話から。デザインの美しさと問い合わせ件数の相関は、想像よりずっと弱いです。
洗練されたアニメーション、こだわった写真、余白の効いたレイアウト。それらは会社の印象を良くしますが、「この会社に連絡してみよう」という決断そのものを押してはくれません。決断を押すのは別のものです。
逆に、見た目は素朴でも問い合わせが途切れないサイトは実際にあります。共通しているのは、読んでいる途中で相手の頭の中の疑問が、順番どおりに消えていくことです。
決定的な違いは「主語」
来ないサイトと来るサイトを並べて読むと、文章の主語が違います。
来ないサイトは、主語が自社です。「私たちは創業以来、品質にこだわってきました」「一人ひとりに寄り添った対応を心がけています」。嘘ではないのですが、読み手にとっては判断材料がゼロです。同じ言葉が競合のサイトにも書いてあるからです。
来るサイトは、主語が読み手です。「こういう状態の会社が、こういう理由で困っているとき、こう解決します」。読んだ人が「これ、うちのことだ」と自分を当てはめられる。この時点で、問い合わせは半分決まっています。
言い換えると、問い合わせは「知りたいことが分かったから連絡する」のではなく、「自分ごとだと分かったから連絡する」のです。ここを外したまま情報量だけ増やしても、長いだけのサイトになります。
分かれ目1:お金の手がかりがあるか
問い合わせをためらう最大の理由は、ほぼ毎回これです。いくらかかるか分からない。
金額が一切書かれていないサイトを見た決裁者は、頭の中で「たぶん高い」「聞いたら断りにくくなる」と補完します。そして静かに離脱します。価格を隠すことは、丁寧さではなく、相手に不安を押しつけている状態です。
案件ごとに金額が変わるなら、確定額でなくて構いません。「この規模ならこのくらいから」「金額が上下する要因はこの3つ」——それだけで、相手は社内で稟議の下準備ができます。判断材料を渡すことが、そのまま問い合わせのハードルを下げます。この考え方はWeb制作でもAI業務自動化でも同じです。
分かれ目2:「誰向けでないか」を書いているか
意外に効くのがこれです。来るサイトは、対象を絞っています。
「どんな業種でも対応します」と書くと、間口が広がるように見えて、実際には誰の記憶にも残りません。逆に「従業員10名前後の会社向け」「初めてホームページを作る方向け」と書くと、当てはまらない人は去りますが、当てはまる人は強く反応します。
問い合わせが欲しいのは全員ではなく、話が噛み合う相手のはずです。絞ることは機会損失ではなく、無駄なやり取りを減らす効率化でもあります。
分かれ目3:送信した後に何が起きるか書いてあるか
フォームの手前で止まる人は、かなりの数います。理由は単純で、送信した後どうなるか分からないからです。
しつこく電話が来るのではないか。その場で契約を迫られるのではないか。この警戒は、誰でも持っています。
だから、来るサイトはフォームの近くにこう書いてあります。「2営業日以内にメールで返信します」「その場でのご契約はお願いしません」。たった2行ですが、送信ボタンを押す確率は明確に変わります。売り込まれないと分かって初めて、人は連絡できるようになります。
そもそも見られていない場合もある
ここまで直しても件数が動かないときは、原因が中身ではなく訪問数側にあります。月間の閲覧数が数十件なら、どんなに良いページでも母数が足りません。
その場合に必要なのは作り直しではなく、検索で見つかる入口を増やすこと、つまりコンテンツ制作側の手当てです。中身の問題と流入の問題は別物なので、まずアクセス解析の数字を見て、どちらを直すべきか決めてください。順番を間違えると、直す必要のない場所に予算を使うことになります。
まとめ
問い合わせが来るサイトは、才能や予算で決まっているわけではありません。読み手が抱く疑問——いくらか、自分向けか、送ったらどうなるか——を、読み進める順番どおりに消しているだけです。
逆に言えば、今あるサイトのままでも、この3つを書き足すだけで結果が変わることは珍しくありません。作り直しの前に、まず自社のページを読み手の目線で通して読んでみてください。
自社サイトのどこで読み手が止まっているのか気になったら、無料相談でご相談ください。売り込みはしませんので、現状の話だけでも歓迎です。
