ホームページは、作った日が一番正しい状態です。そこから毎日少しずつ、現実とのズレが広がっていきます。料金が変わる。担当者が替わる。やめたサービスが残る。新しく始めた事業が載っていない。どれも小さなズレですが、見込み客はそのズレを「この会社、ちゃんとしていないかも」というサインとして受け取ります。
厄介なのは、自社の人間ほどこのズレに気づけないことです。毎日見ている画面は、景色になります。だからこそ「気づいたら直す」ではなく、「年に一度、決めた日に全部見る」という運用が必要です。
この記事では、その年に一度の見直しで何をどの順番で確認するかを、チェックリストとしてまとめました。目的は「直す」ことではなく「古くなった箇所を漏れなく拾う」ことです。拾い出した後の修正は、量に応じて自分でやるか、頼むかを決めればいい。まず全体を把握することが先です。
なぜ「年に一度・まとめて」なのか
「気づいたときに直す」は、ほぼ確実に機能しません。気づく人が限られ、気づいても目の前の仕事が優先され、修正の依頼先も曖昧なまま時間が過ぎます。結果として、サイトの文章は3年前の会社を説明し続けることになります。
一方で、毎月細かく見直す運用も続きません。手間に対して拾える箇所が少なく、だんだん形骸化します。
年に一度、1〜2時間を確保して、チェックリストに沿って上から順に見る。これが小規模事業者にとって一番コストの低いやり方です。タイミングは決算期の後、あるいは年度初めがおすすめです。会社の数字や体制が確定し、「今の会社」を正確に説明できる時期だからです。
見る順番は「信用に直結する箇所」から
限られた時間で見るなら、優先順位が要ります。古い情報が残っていたときの損失が大きい順に並べると、次のようになります。
1. 会社概要・代表者情報
最初に見るのはここです。決裁者は取引前に必ず会社概要を確認します。確認する項目は次の通りです。
- 代表者名、役職、所在地、電話番号は現在のものか
- 資本金、従業員数、設立年の表記は今年の数字か
- 取引銀行、主要取引先、許認可の記載に変更はないか
- 沿革は直近の出来事まで更新されているか
- 代表メッセージの中に「今年で創業○年」のような、時間が経つと嘘になる表現が残っていないか
最後の項目は盲点です。「おかげさまで10周年」が3年経っても残っているサイトは珍しくありません。年数を書くなら、起点の年を書く方が安全です。
2. サービス内容・料金
次に、商品やサービスを説明しているページです。
- 提供をやめたサービス、メニューが残っていないか
- 新しく始めたサービスが載っているか
- 料金、価格表の数字は現在のものか。税込・税抜の表記は統一されているか
- 「対応エリア」「納期」「最低ロット」などの条件は今も同じか
- 「準備中」「近日公開」のまま放置されているページはないか
料金の古さは、問い合わせ後のトラブルに直結します。「サイトに書いてある金額と違う」という一言で、信頼は一気に崩れます。サービスページの絞り込みや書き方そのものを見直したいなら、Web制作のページで、私たちがどう考えて作っているかをまとめています。
3. 実績・事例・お客様の声
- 掲載している事例の企業が、今も存在し、取引が続いているか
- 掲載許可を取った担当者が退職していないか。掲載許可は会社単位で取り直す必要がある場合があります
- 「最新の実績」と銘打った内容が、実は2年前のものになっていないか
- 実績数(「導入実績○社」など)を書いているなら、今年の数字に更新されているか
事例ページは、更新が止まるとサイト全体が止まって見える場所です。新しい事例を1件足せるなら、古いものを1件下げるくらいの入れ替えが理想です。
4. 採用情報
- 募集していない職種が掲載されたままになっていないか
- 給与、休日、勤務地などの条件が現在の規定と一致しているか
- 社員紹介に登場する人が、すでに退職していないか
- 募集を終了したのに応募フォームが生きていないか
採用ページの古い情報は、応募者からの信用を失うだけでなく、法律上の問題にもなり得ます。募集していないなら、ページごと非表示にするのが正解です。
5. お知らせ・ブログ
- 最新のお知らせが1年以上前になっていないか
- 「年末年始休業のお知らせ」のような、期限切れの告知がトップに残っていないか
- 過去記事の中に、今は違うことを断言している内容がないか
お知らせが止まっているサイトは、営業しているかどうかすら疑われます。年に数本でいいので、動いている証拠を残す運用は、文章の見直しとは別に考えておきたいところです。
文章の「中身」ではなく「周辺」も見る
本文の内容が正しくても、周辺が古いと台無しです。以下もチェックリストに入れておきます。
- フッターの著作権表示の年号。「© 2022」のまま止まっていないか
- 外部リンク先が消えていないか。取引先、関連団体、SNSアカウントへのリンクは特に切れやすい
- SNSのボタンが、もう運用していないアカウントを指していないか
- 問い合わせフォームの自動返信メールの文面。署名の担当者名や電話番号が古くないか
- 404ページ、サンクスページなど、普段見ないページの文面
自動返信メールは特に見落とされます。サイト本体は直したのに、問い合わせた人に届くメールだけ3年前の担当者名、ということが本当に起きます。
見直しを「作業」にしないための準備
チェックリストがあっても、毎年ゼロから探すのは効率が悪い。次の年を楽にするために、今年の見直しで次の3つを残しておきます。
- 「変わりやすい情報」の一覧を作る。料金、従業員数、代表メッセージの年数表現など、サイト内のどのページのどの箇所に、変動する情報があるかをメモしておく。翌年はこの一覧だけ見ればいい
- 見直した日と修正した箇所を記録する。社内の共有ファイルで十分です。「いつ・誰が・何を直したか」が残っていれば、次に見る人が迷わない
- サイト上のテキストを一括で書き出しておく。WordPressなら全ページを一度エクスポートし、検索可能な状態にしておくと「○○という表現がどこに残っているか」を数秒で探せます
この3つがあると、2年目以降の見直しは30分で終わります。最初の年だけ少し手間をかけて、仕組みにしてしまうのが得策です。
まとめ
ホームページの文章は、放っておけば必ず古くなります。それを防ぐのは「こまめな気づき」ではなく、「年に一度、決めた順番で全部見る」という仕組みです。
見る順番は、古いままだったときの損失が大きい順。会社概要、サービスと料金、実績、採用、お知らせ。そして本文以外の周辺情報。これを1〜2時間で一周し、拾い出した箇所を直す。最初の年に変動箇所の一覧を作っておけば、翌年からはさらに軽くなります。
自社のサイトを客観的に見るのが難しいと感じたら、第三者の目を一度入れるのも手です。今のホームページを無料診断するページでは、古くなった箇所も含めてサイト全体を確認しています。
見直した結果、「直すべき箇所が多すぎて、手を入れるより作り直した方が早いかもしれない」と感じたら、無料相談からお気軽にご相談ください。営業の電話はしませんので、ご安心を。
