FAXが鳴って申込書が届く。字を読み取り、表計算ソフトに打ち直し、担当者に回して、原本はファイルに綴じる。一件あたりは数分でも、毎日続けば一日のうち結構な時間がこの作業に消えています。
しかも紙の受付は、読み間違い・転記ミス・紛失といった小さな事故が起きやすく、そのたびに確認の電話が必要になります。手間がかかるうえに間違いも出やすい。やめる理由としてはそれで十分です。
ただ、「明日からFAX廃止、全部フォームで」と切り替えるのはおすすめしません。取引先が付いてこられず、結局紙とフォームの二重運用になって、かえって手間が増えるのがよくあるパターンです。この記事では、紙の受付をオンラインフォームと自動処理に置き換えるときの手順を、順番どおりに整理します。
手順1:今の申込書を「項目の一覧」に分解する
最初にやるのは、フォーム作りではありません。今使っている紙の申込書を見て、書かれている項目を一つずつ書き出すことです。
書き出したら、それぞれの項目に次の印を付けます。
- 必ず必要:これがないと受付できない(氏名、連絡先、申込内容など)
- あれば便利:後で聞いても困らない
- 実は使っていない:昔の名残で残っているだけ
紙の申込書は何年も継ぎ足されてきたものが多く、「実は使っていない」項目が意外と見つかります。フォームにするときにそのまま全部移すと、入力する側の負担が重くなり、途中でやめられてしまいます。項目を減らすのは、この段階でしかできない大事な作業です。
あわせて、受け取った後に誰が何をしているかも書き出してください。「事務が表に転記」「営業に回す」「控えを返送」など、紙の受付には手作業の流れがくっついています。自動化の対象になるのは、フォームそのものより、むしろこの後ろの流れです。
手順2:フォームを作り、受付の入口を一本にする
項目が絞れたら、オンラインフォームを作ります。Googleフォームのような無料のツールでも、ホームページに組み込むフォームでも構いません。大切なのは、次の3点です。
- スマホで入力しやすいこと。申込む側は、外出先や現場からスマホで開くことが多くなります
- 選択肢で答えられる項目は選択肢にすること。手書きの自由記述をそのまま移すと、表記の揺れが残ります
- 送信後に「受け付けました」が相手に届くこと。紙のときの「控え」の代わりです
フォームの置き場所も決めておきます。ホームページの分かりやすい位置に入口を作り、名刺やチラシ、FAX用紙の余白にもフォームへの案内を載せる。入口がバラバラだと、申込む側が迷います。ホームページ側の導線をどう整えるかは、Web制作の範囲で一緒に考えることもできます。
手順3:受け取った後の流れを自動にする
ここが一番効く部分です。フォームで受け付けるだけでは、「FAXの代わりにメールが届く」状態になっただけで、転記の手間はほとんど変わりません。
受け取った後の流れは、たとえば次のように自動化できます。
- 申込内容が自動で一覧表に1行追加される。打ち直しが不要になります
- 申込の種類に応じて担当者に自動で通知が飛ぶ。「誰に回すか」を毎回判断しなくて済みます
- 申込者に確認メールが自動で送られる。受付番号や今後の流れも一緒に伝えられます
- 必要に応じて、申込内容から請求書や手配書の下書きが作られる
どこまで自動にするかは、手順1で書き出した「受け取った後の流れ」を見ながら決めます。全部を一度にやる必要はありません。まずは「一覧表への自動追加」と「確認メールの自動送信」の2つだけでも、転記作業はほぼなくなります。
このあたりの仕組みづくりは、既存のツールの組み合わせで実現できることが多く、大きなシステムを新しく入れる必要はあまりありません。具体的な組み方を相談したい場合は、AI業務自動化のページもご覧ください。
手順4:紙・FAXは「すぐ捨てず、細くして残す」
フォームと自動処理が動き始めても、紙やFAXを急に止めるのはやめておきましょう。取引先や顧客の中には、FAXのほうが慣れている人も必ずいます。
おすすめは、次の順番で細くしていくやり方です。
- 最初の1〜2か月は並行運用。FAXで届いたものは、社内でフォームに入力し直して同じ流れに乗せる。こうすると、受付の後ろ側はすでに一本化されます
- FAX用紙にフォームの案内を載せる。「次回からはこちらが便利です」とQRコード付きで案内します
- FAXで届く件数を数える。減ってきたら、よく送ってくる相手に個別に声をかけます
- 最後まで残る少数だけ、FAXを例外として受け付ける
ポイントは、社内の処理は早い段階でフォームに一本化してしまうことです。入口が紙でもフォームでも、後ろの流れが同じなら二重運用にはなりません。紙の件数は、相手のペースに合わせてゆっくり減らしていけば大丈夫です。
やりがちな失敗
置き換えのときによく起きる失敗も、先に挙げておきます。
- 紙の申込書をそのままフォームに写す。項目が多すぎて、入力途中の離脱が増えます
- フォームを作っただけで終わる。受け取った後が手作業のままなら、効率はほとんど上がりません
- 個人情報の扱いを決めていない。誰が申込データを見られるのか、どこに保存するのかは、切り替える前に決めておく必要があります
- 社内の誰も使い方を知らない。担当者一人しか仕組みを分かっていない状態は、紙の頃より危険です。簡単な手順書を残しておきましょう
まとめ
紙の申込書やFAXの受付をやめる手順は、次の4つです。
- 今の申込書を項目に分解し、不要なものを削る
- スマホで入力しやすいフォームを作り、入口を一本にする
- 受け取った後の転記・通知・確認メールを自動にする
- 紙とFAXはすぐ止めず、社内処理を先に一本化してから細くしていく
効くのはフォームそのものより、その後ろの流れを自動にするところです。毎日の打ち直しがなくなると、その時間を本来の仕事に回せるようになります。
「うちの申込書だと、どこまで置き換えられるだろう」と思ったら、今お使いの申込書を見せていただくだけでも整理できます。よろしければ無料相談からお気軽にどうぞ。
