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自社の強みが言葉にできない会社へ。3つの質問で書き出すコピーの作り方

2026.09.16
自社の強みが言葉にできない会社へ。3つの質問で書き出すコピーの作り方

ホームページを作り直すとき、パンフレットを刷るとき、あるいは商談の場で。「御社の強みは何ですか」と聞かれて、すっと答えられる経営者は、実はそう多くありません。だいたいは「まあ、丁寧にやっているところですかね」とか「対応の早さでしょうか」といった、当たり障りのない言葉が出てきます。

ここで誤解しないでほしいのは、それは強みが無いという意味ではない、ということです。十年二十年と続いている会社に、強みが無いはずがありません。ただ、自分たちにとって当たり前すぎることは、言葉にならないだけなのです。毎日やっていることを、わざわざ言語化する機会がないからです。

強みを言葉にする作業は、才能やセンスの問題ではありません。適切な質問を自分に投げて、出てきた答えを削っていくだけの、手順のある作業です。今回はその手順を、3つの質問という形でお伝えします。紙とペン、あるいはメモアプリを開いて、実際に書きながら読んでみてください。

質問1:直近で受注した3件は、なぜ他社ではなく自社に決まったのか

いきなり「強み」を考えようとすると、必ず抽象論に迷い込みます。「技術力」「信頼」「スピード」——どれも嘘ではないけれど、どの会社でも言える言葉です。

そこで、抽象から始めるのをやめます。代わりに、直近で受注した案件を3件、具体的に思い出してください。そして1件ずつ、「この客はなぜ、他ではなくうちに決めたのか」を書き出します。

このとき重要なのは、推測ではなく、実際に相手が口にした言葉を思い出すことです。「他は見積もりの返事が一週間かかったけど、御社は翌日だったから」「電話で話したとき、こっちの業界の事情を分かってくれたから」「前に断られた条件を、ここなら何とかすると言ってくれたから」。こういう具体的な発言こそが材料になります。

3件書き出すと、たいてい共通点が見えてきます。3件ともスピードに触れているなら、それは本当にスピードが強みです。3件とも「話が通じた」という趣旨なら、業界理解が強みです。自分では地味だと思っていた部分が、外から見た決め手になっていることは珍しくありません。

思い出せないなら、直接聞きに行く手もあります。取引の続いているお客様に「なぜうちに頼み続けてくださるんですか」と聞くのは、営業ではなく取材です。その答えは、コンテンツ制作の現場でいちばん価値のある素材になります。

質問2:うちが断る仕事は、どんな仕事か

強みは、できることだけでは決まりません。むしろ「やらないこと」のほうが輪郭をはっきりさせます。

考えてみてください。あなたの会社が、条件的には受けられるのに、あえて断る案件はどんなものでしょうか。「値段だけで比べてくる客は受けない」「言われた通りに作るだけの仕事はやらない」「納期が無茶なものは無理に受けない」。こうした線引きが、必ずどこかにあるはずです。

その線引きを書き出すと、自社が何を大事にしているかが逆算で見えてきます。値段だけの客を断るなら、それは提案の中身に価値を置いているということです。言われた通りに作るだけを断るなら、相手の課題に踏み込むことを仕事だと思っているということです。

そして、この「やらないこと」は、そのままコピーに使えます。「安さでは勝負しません」と書いてある会社は、値段で選ぶ人を遠ざける代わりに、中身で選びたい人を引き寄せます。全員に好かれようとする文章は、結局誰の心にも残りません。断る基準を公開することは、最も効率のいい絞り込みです。

質問3:お客様が来た時点で、何に困っていたのか

3つ目は、視点を自社から相手に移す質問です。お客様が最初に問い合わせてきた瞬間、その人は何に困っていたでしょうか。

ここも具体的に書きます。「ホームページはあるけど何年も触っていなくて、社長が恥ずかしいと思っていた」「新しく人を採りたいのに、応募が来ない」「請求書の作成に毎月二日かかっていて、経理がもたない」。困りごとの記述が細かいほど、あとで効いてきます。

なぜなら、人は自分の困りごとの言葉で検索し、自分の困りごとが書いてあるページで足を止めるからです。「高品質なWeb制作」と書いてあるページは素通りされますが、「何年も更新できていないサイトを、自分たちで直せる状態にします」と書いてあれば、まさにそれで悩んでいる人が反応します。

つまり、強みを語る言葉は、自社の性能ではなく、相手の状態から書き出すほうが伝わるのです。Web制作でトップページの最初の一画面を考えるとき、私たちが真っ先に聞くのもこの部分です。

3つの答えを、1行につなげる

3つの質問に答えたら、材料は揃っています。最後にやるのは、それを1行にまとめる作業です。型としては、こうなります。

「(質問3で出た困りごと)を抱えた会社に、(質問1で出た決め手)で応える会社です。ただし(質問2で出た線引き)はやりません。」

たとえば「何年も放置したサイトを持て余している会社に、社内で更新できる形で応える会社です。ただし、作って終わりの納品はしません」。粗くて構いません。まずは書き切ることが大事です。

書けたら、社内の別の人に読んでもらってください。「これ、うちのこと?」と即答されれば成功です。「まあ、そうかな」と言われたら、まだ抽象的すぎます。もう一段、具体に降ろします。

そして、この1行が決まると、あとの作業が一気に軽くなります。トップページの見出しも、会社案内の冒頭も、採用ページの書き出しも、全部この1行から派生させられるからです。逆にここが曖昧なまま制作を始めると、ページごとに言っていることがズレて、修正のたびに時間が溶けていきます。順番を守るだけで、無駄が大きく減ります。

まとめ

強みが言葉にできないのは、能力の問題ではなく、手順の問題です。「なぜ選ばれたか」「何を断るか」「相手は何に困っていたか」——この3つを具体的な事実で書き出せば、材料は必ず出てきます。あとは削って、1行にするだけです。

ひとりで考えると抽象論に戻りやすいので、できれば社内の2〜3人で、実際の案件を前に話しながらやってみてください。一時間もあれば、たたき台はできます。

もし書き出してみて「どれが強みか分からない」となったら、そのメモを持ったままご相談ください。第三者が質問するだけで、言葉が出てくることはよくあります。無料で相談するから、お気軽にどうぞ。

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