自分の会社名をGoogleで検索してみてください。検索結果の右側(スマホなら上の方)に、地図と写真と営業時間が並んだ枠が出てきませんか。あれがGoogleビジネスプロフィールです。
この枠、多くの会社で「いつの間にか出ていた」「昔いた社員が登録したらしい」という扱いになっています。写真は数年前のもの、営業時間は変更前のまま、説明文は空欄。そして誰も触っていない。
正直に言うと、これはかなりもったいない話です。広告費ゼロで、検索した人の目に一番大きく映る場所を持っているのに、そこを空き家にしている。今日はこの枠を、放置状態から「問い合わせが来る状態」に持っていくまでを、手をつける順番つきでお話しします。
放置していると、実際に何を失っているのか
まず、失っているものを具体的にしておきます。ぼんやり「やった方がいいらしい」で終わると、結局また放置されるからです。
ひとつめは、電話とルート検索です。地図の枠には「電話」「ルート・案内」「ウェブサイト」のボタンが並びます。スマホで「業種名+地域名」と調べた人は、サイトを開くより先にこのボタンを押します。特に急いでいる人ほどそうです。ここが整っていないと、比較検討の土俵に上がる前に隣の会社に流れます。
ふたつめは、信用です。写真が1枚もない、口コミがゼロ、説明文が空欄。この状態は「情報がない」ではなく「ちゃんと営業しているのか怪しい」と読まれます。人は情報がないとき、良い方には解釈してくれません。
みっつめは、誤情報がそのまま残るリスクです。Googleビジネスプロフィールは、第三者からの情報提案でも内容が変わることがあります。移転したのに古い住所が残っている、とっくに変えた営業時間が表示されている。定休日に来訪されて誰も出ない、というのは、失注どころか悪印象を能動的に配っている状態です。
つまり放置のコストは「機会損失」だけでは済みません。放っておくほど、間違った情報が独り歩きします。
まず直すべきは、写真・カテゴリ・営業時間の3つ
やることを全部並べると絶対に終わらないので、効果が出る順に3つだけに絞ります。
1. 写真を入れ替える
最優先はこれです。枠の中でいちばん面積が大きく、いちばん最初に目に入るのが写真だからです。
入れるべきは、外観(入り口が分かるもの)、内観または作業風景、そして人が写っているもの。この3種類です。特に「入り口の写真」は軽視されがちですが、初めて訪ねる人にとっては地図より役に立ちます。
そして、これはお金をかける価値のある部分です。スマホで撮った暗い写真と、きちんと撮った写真では、同じ会社でも別物に見えます。写真が信用を左右する話はコンテンツ制作の観点でも同じで、素材が弱いとその後どれだけ発信を頑張っても回収できません。
2. カテゴリを正しく設定する
カテゴリは「見た目」ではなく「どの検索で表示されるか」を決める設定です。ここが実態とずれていると、そもそも候補として出てきません。
メインカテゴリは、自社の売上の柱にいちばん近いものを1つ。サブカテゴリで実際にやっている業務を補足する。よくあるのが、創業当時のまま古い業態のカテゴリが入っているケースです。事業内容が変わっているなら、ここも変えてください。
3. 営業時間と定休日を現実に合わせる
地味ですが、ここのズレは直接クレームになります。祝日の扱い、年末年始、臨時休業。特別営業時間の設定ができるので、決まった時点で入れておくと後が楽です。
この3つを直すだけで、枠の印象はかなり変わります。所要時間は写真の準備を除けば1時間かかりません。
口コミは「集める」より「返す」
口コミの話になると、多くの経営者が「どうやって増やすか」に頭が向きます。もちろん数はあった方がいいのですが、先に手をつけるべきは返信です。
理由は単純で、読んでいる人は口コミそのものより「会社がどう反応しているか」を見ているからです。褒められた投稿に一言も返していない会社は、素っ気なく見えます。逆に、厳しい口コミにきちんと事実で応じている会社は、それだけで誠実に映ります。
返信のコツは3つあります。定型文のコピペを並べないこと。良い口コミには、その人が触れてくれた具体的な部分に言及すること。低評価には、感情で反論せず、事実関係と今後の対応だけを短く書くこと。読者は当事者ではなく、これから依頼を検討している第三者です。その人に向けて書くと、自然と落ち着いた文章になります。
集め方については、ひとつだけ。見返りを渡して口コミを依頼するのは規約違反ですし、そもそも中身が薄くなって効果がありません。やるなら、仕事が終わって満足してもらえた直後に、正直にお願いするのが一番早いです。タイミングを逃さない仕組み——納品メールのテンプレートに一文入れておく、といった程度の工夫で十分機能します。こういう「毎回やるが忘れがちな一手間」は、AI業務自動化の考え方で仕組みに落としてしまうと、担当者の気合いに頼らずに回ります。
地図とホームページは、セットで初めて効く
ここが一番お伝えしたいところです。
Googleビジネスプロフィールを整えると、枠が目立ち、ボタンが押され、ホームページに人が来ます。しかし、そこで開いたサイトが数年前のまま、料金の目安もなく、問い合わせフォームが電話番号必須の長大なものだったら、そこで終わります。地図の整備でわざわざ連れてきた人を、自社サイトで取りこぼしているわけです。
逆も同じです。サイトをきれいに作り直しても、地図の枠が空き家のままなら、そもそもクリックされる回数が増えません。
この2つは片方だけ磨いても効率が悪い。地図で「見つけてもらう・信用してもらう」、サイトで「詳しく知って・問い合わせてもらう」。役割が分かれているので、両方が最低ラインを超えて初めて数字が動きます。もし今のサイト側に不安があるなら、Web制作の視点で、問い合わせまでの導線がどうなっているかを一度見直しておくと無駄がありません。
投稿機能は、余力があればで構いません
最後に、やらなくていいことも書いておきます。
Googleビジネスプロフィールには「投稿」機能があり、お知らせやイベントを載せられます。有効ではありますが、優先順位は低いです。週に何度も投稿しなければ意味がない、といった話に付き合うと、続かないうえに疲れます。
現実的な運用はこれくらいで十分です。写真は年に2〜3回、新しいものが撮れたときに追加する。口コミは通知が来たら数日以内に返す。営業時間は変更が決まった日に直す。投稿は、伝えたいことが実際にあるときだけ。
放置していた会社が今日やるべきなのは、投稿を始めることではなく、まず自分の会社の枠を検索して、間違っている情報を消すことです。
まとめ
Googleビジネスプロフィールは、無料で使える営業窓口です。にもかかわらず放置されやすいのは、担当者が決まっていないからです。
手をつける順番は、写真の入れ替え、カテゴリの見直し、営業時間の修正。ここまでが1時間の仕事です。次に口コミへの返信を習慣にする。そして、地図から流れてきた人を受け止めるホームページ側を整える。この順番なら、途中で力尽きても、やった分だけ効果が残ります。
まずは今、自社名で検索してみてください。そこに映っているものが、初めての人が見るあなたの会社です。
見てみたら思ったより古かった、どこから直せばいいか判断がつかない——そんなときは、無料で相談するからお気軽にどうぞ。現状を一緒に見て、優先順位だけでもはっきりさせてお返しします。
