自社のサービス紹介ページを、いま一度開いてみてください。「〇〇から△△まで幅広く対応」「どんなご要望にもお応えします」という一文が、ページの上のほうに置かれていないでしょうか。
小さな会社ほど、実際に何でもやっています。頼まれれば断らずに引き受けてきた結果、できることが増えた。それ自体は立派な強みです。ただ、それをそのままページに並べると、読む側には「結局、何の会社なのか分からない」と映ります。
この記事では、守備範囲を狭めずに、ページの見せ方だけを絞り込む書き方を整理します。仕事を減らす話ではありません。選ばれる入口を作る話です。
「何でもできます」が選ばれない理由
サービスページを読む人は、たいてい何かに困っています。「問い合わせが来ない」「事務作業が回らない」「採用で人が集まらない」。その困りごとを抱えたまま、何社かのページを見比べています。
そこで項目が十数個並んだページに出会うと、読む人は自分の困りごとがどれに当てはまるのかを、自分で探さなければなりません。これが面倒なのです。しかも「全部できる」と書かれていると、どれも平均点なのだろうという印象になります。
一方、「〇〇で困っている会社の、この部分を引き受けます」と書かれたページは、該当する人にとっては自分のためのページに見えます。比較の場面で残るのは、こちらです。
幅広さは、問い合わせのあとの会話で伝えれば十分です。「実はこれもできますか」と聞かれたときに「できます」と答えられるのが、何でもやってきた会社の本当の強さです。ページの役割は、その会話の入口まで連れてくることです。
絞り込む前にやる、たった一つの棚卸し
いきなりページを書き直す前に、過去1〜2年の受注を振り返ってください。見るのは次の3点だけです。
- どんな困りごとで相談が来たか(依頼内容ではなく、相談のきっかけ)
- 利益が残った仕事はどれか
- またやりたいと思える仕事はどれか
この3つが重なる仕事が、ページの主役候補です。売上の大きさだけで選ぶと、手間ばかりかかる仕事を呼び込むページになりがちです。「またやりたい」は感覚的に見えますが、続けられるかどうかを左右する大事な基準です。
ここで大事なのは、依頼内容ではなく「相談のきっかけ」で書き出すことです。「ホームページ制作」ではなく「問い合わせが月に1件も来ない」。「業務システム導入」ではなく「月末の集計で二日つぶれている」。読む人が検索窓に打ち込むのは、後者の言葉です。
ページを絞り込む書き方、4つの手順
棚卸しが終わったら、ページを組み立て直します。
1. 最初の一画面で「誰の、何を」を言い切る
ページを開いて最初に見える範囲に、「どんな会社の、どんな困りごとを引き受けるのか」を一文で書きます。業種や規模、状況を具体的に入れるほど、該当する人の手が止まります。
「中小企業のIT化を支援します」では誰にも刺さりません。「紙とExcelで回している事務作業を、少人数でも回る仕組みに置き換えます」くらいまで具体的にすると、読む人が自分ごととして受け取れます。
2. サービス項目は3つまでに束ねる
十数個ある対応業務を、困りごとの単位で3つ程度に束ねます。たとえば「集客の入口を作る」「社内の手作業を減らす」「発信を続けられる体制を作る」のように、依頼者の目的でまとめるのがコツです。
細かい業務名は、それぞれの束の中に小さく書けば足ります。見出しに業務名を並べるより、目的で並べたほうが読む人は迷いません。
3. 各サービスに「向いていない人」も書く
意外に効くのが、「こういう場合は他社のほうが合います」と書いておくことです。たとえば「大規模なECサイトの構築は専門の会社をおすすめします」と一行あるだけで、ページ全体の信用が上がります。
断ることを書くのは勇気がいりますが、合わない相談に使う時間が減り、合う相談の成約率が上がります。売り込まない姿勢は、そのまま誠実さとして伝わります。
4. 進め方と費用の目安を、必ずセットで置く
絞り込んだサービスには、「最初の相談から完了までどう進むか」と「どのくらいの費用感か」を添えます。幅を持たせた目安でも構いません。
読む人が問い合わせをためらう一番の理由は、「聞いたら何が始まるのか分からない」ことです。流れと費用が見えるだけで、相談のハードルは大きく下がります。
捨てた項目はどこへ行くのか
絞り込むと、ページから消える業務が出てきます。ここで不安になる方が多いのですが、消す必要はありません。置き場所を変えるだけです。
- よくある質問に「〇〇も対応できますか」として載せる
- 事例やブログ記事で、実際にやった仕事として紹介する
- 問い合わせフォームの選択肢に「その他」を残しておく
主役のページは絞り、脇役はサイトの別の場所で受け止める。この役割分担ができると、サイト全体として「専門性がありつつ、相談の幅も広い会社」という見え方になります。
当社のWeb制作でも、構成を考える段階でこの棚卸しから入ることが多いです。書く前に、どこに何を置くかを決めてしまうと、あとの作業が驚くほど速くなります。
書き直したら確かめたい3つの点
書き直したページは、公開前に次の3点を確認してください。
- 初めて見た人が、10秒で「何の会社か」を言えるか
- 主役にしたサービスの見出しに、相談のきっかけの言葉が入っているか
- ページの最後に、次に何をすればいいかが一つだけ書かれているか
社内の人ではなく、取引のない知人に見てもらうのが一番確実です。説明を聞かずに読んでもらい、「何の会社だと思った?」と聞いてみてください。返ってきた答えが、そのページの実力です。
自分で見てもよく分からないという場合は、今のホームページを無料診断するページから、現状のページを見せていただくこともできます。
まとめ
「何でもできます」は、会社の実力としては正しくても、ページの言葉としては弱くなります。できることを減らすのではなく、入口を絞る。困りごとの言葉で主役を決め、3つに束ね、向いていない人も書き、進め方と費用を添える。これだけで、同じ会社のページが見違えるほど選ばれやすくなります。
まずは過去の受注を並べて、「またやりたい仕事」に丸をつけるところから始めてみてください。整理の途中で迷ったら、無料相談で一緒に棚卸しからお手伝いします。
